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岐阜の酒コラム

2023年10月03日

実は知らない⁉日本酒の作り方。清酒の製造工程を分かりやすく説明!

日本酒の造り方を詳しく解説!日本酒の製造工程はめちゃくちゃ高度!並行複発酵と単行複発酵、単発酵の違いは?「1麹、2酛、3造り」とは?そもそも麹って何?味にも関わる重要な製造工程をご紹介します!

皆さん、こんにちは!

 今回のコラムは、意外と知らない日本酒の作り方です。

 実は世界で造られているお酒の中でも清酒は非常に高度で特徴的な造り方をしています。

それは「並行複発酵」です。これは、酵素の力によって米のでんぷんを糖分に変える”糖化”と酵母の力によってその糖分をアルコールに変化させる”アルコール発酵”の2つを同時におこなっています。

 では、他のお酒はどのように発酵しているのでしょうか。これもご紹介させてください。

 お酒の製造法は大きく3つに分けることができ、さきに話した並行複発酵の他に単行複発酵、単発酵があります。

 まず、単行複発酵についてご紹介します。単行複発酵は主にビールを造る際に用いる方法です。前述した並行複発酵は”糖化”と”アルコール発酵”を同時に行いますが、単行複発酵は順番に行います。まず、原料の麦芽に対して糖化を行います。その後、その糖分に対して”アルコール発酵を行います。つまり動作が完全に別の時に起こっています。

 一方で単発酵はどうでしょうか。これは主にワインを造る際に行われます。ワインの原料はブドウですよね。ブドウって既に糖分が存在するので糖化を行う必要がないのでアルコール発酵だけ行います。

 どうでしょうか。皆さんが普段飲まれるお酒も大きくはこの3つから分類されます。

 さて、では日本酒の造り方について具体的に説明していきましょう。

●精米

 清酒造りは原料である酒米を玄米の状態から精米する事から始まります。精米にもこだわりがあり、一般的に食べる白米は精米歩合90%といい、米粒の外側から10%だけ削ります。しかし、清酒を作る場合、吟醸酒なら精米歩合60%。大吟醸酒に至っては精米歩合50%まで削り、米の中心、香り高い部分のみを使います。

●洗米、浸漬、蒸米

 精米後は、まずは一般的なお米と同様に米を洗います。その後、”浸漬”といい、米を水に漬けます。時間は原料米の精米歩合、造る酒の質、当日の温度や湿度などを考慮し、秒単位で変わります。実は、一般的な炊飯器で米を炊く際も米をしばらく水に漬けることで炊いた後のお米がふっくらするのはライフハックだったりします。

 話を戻して、しばらく水につけたお米は取り出し、この次はお米を蒸します。蒸したお米はこの後登場する、麹造り、酛(もと)、醪(もろみ)の時に使うので注目です。

●製麹

 麹は日本酒造りにおいて「1麹、2酛、3造り」と呼ばれる程重要な要素です。その麹をいまから作っていきます。

 そもそも、麹ってどのようなものかご存じですか?分かりやすく言えば「米にカビを生やしたもの」です。しかし、このカビは皆さんの想像するような害悪なものではなく、人間の体にとっても非常に有益な効果を与えるものになっています。蒸した後、適度に冷まし、麹室に運び、蒸米に麴菌を振りかけます。因みに、麹室ですが、これは、寒い時期でも麹の適切な発育温度(30~40℃)で管理するのに重要な部屋です。製麹はおよそ3日間かけて行われます。

●酒母(酛)

 酒母はいわば醪の子供段階のようなものです。醪での発酵を安全かつ確実なものとするために必要な工程です。蒸米と米麹、水を用いて仕込む最初の工程でもあります。酒母の備えるべき条件としても酵母をたくさん含んでおり、所定量の乳酸を多量に含んでいること等が挙げられます。酒母はおおよそ2週間ほどかけて完成します。

●醪(三段仕込)

 アルコール発酵を主役とする段階が来ました。そう、醪です。実はここも清酒醸造の特徴的な部分であり、”三段仕込”で行われます。三段仕込とは、4日間かけて、蒸米、米麹、水を3回に分けて仕込んで行く方法です。では、なぜ三回に分けて仕込むのでしょうか。大きな理由は、醪を作った理由と同じく、安全に確実に清酒を作りたいからです。酒母のところで乳酸を含むって書きましたが、これは、他の雑菌が繁殖しにくい環境を作るのに大きな役割をはたしています。ですが、一度に大量の蒸米や米麹、水を投入させると、せっかくたくさん作った酵母や投入した乳酸も希釈されてしまい、他の菌が繁殖してしまう環境になる危険性があります。なので、3回に分けてゆっくりと増やして行くことで急激な希釈をふせいでいるんです。それでは、3回の素材を入れるタイミングを個別に見ていきましょう。

■添

仕込1日目の工程です。ここで、タンクに先に作った酒母と、水、米麹、蒸米を投入します。

■踊り

仕込2日目。水や米麹、蒸米が入って薄まった中で一度酵母の増殖を促すために放置

■仲

仕込3日目。休めたところに水、米麹、蒸米を投入。この時、タンク内の液体部分と麹部分を均一に混ぜる”櫂入れ”。よく酒蔵を見学するとタンクに長い棒を入れている蔵人の写真等を目にすることがあると思いますがまさにこれです。しかし、これがかなりの重労働なので大変です。

■留

仕込4日目。最後の水、米麹、蒸米を投入して、ひとまず仕込は完了。

●発酵

 ついに前述した並行複発酵の本領発揮!蔵人たちによって毎日温度や状貌を観察し、櫂入れを行いながら調節していきます。

●上槽

 今度は、溶けた米と液体が混ざった状態(醪)。これを酒粕と液体に分ける工程。

 最近は自動圧搾機が主流となりますが、昔ながらの袋吊り等絞り方は様々。

●滓引き

上槽した後は液体以外何もないかといわれるとそうではなく、実は米粒の断片や酵母、麹から生まれた物など「滓」と呼ばれる物質が存在します。これを分解することでよりすっきりとした品質になる。

●ろ過

活性炭等を使って雑味や色味を取り除きます。ただ、そのお酒が持つ本来の香りなども損なう場合もあるので近年、無濾過の日本酒が続々と登場しています。

●火入れ

低温殺菌のことです。これによって酵素の活動を完全に止めて殺菌します。この後、もう一度行いますが、この火入れをしない清酒を生酒と呼びます。生酒にも種類があり、貯蔵前と瓶詰前の両方の火入れを行わないと狭義の意味での生酒になります。一方で貯蔵前の火入れだけ行わないと生貯蔵酒となります。また、瓶詰前の火入れを行わないと生詰酒と呼びます。

●貯蔵

 瓶詰めするその時までタンクの中で貯蔵します。これを行うと、酒質がまろやかになっていきます。

●調合・割水

 清酒は生き物と言われます。なので同じ配合で製造してもタンク毎に微妙に風味が異なります。品質を均一にするためにも調合技術はかなり重要です。また、合わせて、タンク中に存在する清酒はアルコール度数が18度以上22度未満と市販されている物よりも高くなっているので飲みやすくするためにも仕込み水を使ってアルコール度数を下げます。

●瓶詰

出荷前になるとついに瓶詰となります。この前にもう一度濾過・火入れを行い、お酒の品質保持、安全性向上を図ります。

以上が日本酒の造り方になります。

いかがでしたでしょうか。想像よりも複雑になっていたことかと思います。しかし、蔵人はこの繊細な製造の中で己の経験と知識を動員しています。是非、蔵人の成果を味わってください。

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