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岐阜の酒コラム

2023年10月03日

飛騨高山に酒蔵が多い理由 ~伝統と風土が育む酒造りの宝庫~

高山市に多くの酒蔵が存在する理由を歴史をもとに探りました。地理的な要因や寒冷な気候、そして地元の酒文化が高山を酒造りの中心地として栄えさせています。地元の酒は地域社会で愛され、地元の日本酒愛好家たちはその伝統を守り続けています。飛騨高山の酒は、美味しさと地域性を兼ね備えた特別な存在です。

● 序章

 高山市は岐阜県北部に位置し、約8.8万人の人々が住む美しい都市です。この地域は自然の美しさと歴史的な街並みで知られ、観光スポットとして多くの人々を魅了しています。しかし、高山にはもう一つ注目すべき点があります。それは、この地に点在する多くの酒蔵です。

 高山市の風景と酒蔵の数には、深い関係があるようです。この記事では、高山に酒蔵が多い理由に迫りますが、その前に、高山の特徴的な背後にある歴史的な背景を考えてみましょう。

 最近では、漫画「呪術廻戦」に登場する両面宿儺のモチーフとして高山市の飛騨千光寺が知られています。両面宿儺は、日本書紀に伝わる伝説的な存在であり、この地域に深い歴史と文化をもたらしました。そのため、高山市は伝説的な要素と共に、自然の美しさと歴史的な価値を結びつけた魅力的な地域と言えるでしょう。

 続いては、高山に酒蔵が多く存在する理由を詳しく探求していきます。それでは、酒蔵が高山に多く存在する背後にある要因について深堀りしてみましょう。

●歴史的背景

 高山市に点在する酒蔵の多さには、歴史的な背景が深く関与しています。飛騨地方の歴史と酒造りの関係は、地域経済と文化に大きな影響を与えました。

 江戸時代には、飛騨地方には多くの酒造メーカーが存在し、その数はなんと89軒にも上りました。これは当時の免許状である「酒株」の存在によるもので、領主や幕府が酒造メーカーから運上金を徴収するために酒造りを管理しました。飛騨地方においても、この制度が確立され、多くの酒蔵が営業していました。

 この制度が存在した背後には、米の価格管理があることを知る必要があります。江戸時代において、流通していた貨幣のほかに米も通貨としての役割を果たし、毎年のように米を消費して米価を管理する必要がありました。このため、酒造りが盛んに行われ、米の需要を満たすために酒造メーカーが存在していたのです。

高山のような山岳地帯に位置する地域では、遠隔地への米の輸送が難しく、自国内で消費させる必要がありました。こうした事情から、高山の城下町は酒造りが盛んに行われ、美味しい水を手に入れるために宮川の伏流水が利用されました。

●高山の地理的要因

 高山市に多くの酒蔵が存在する理由の一つは、この地の地理的要因にあります。高山は自然の美しさに恵まれた地域で、その地理的条件が酒造りに大きな影響を与えています。

 まず、高山市の水質は酒造りに最適なものとされています。この地域は雄大な北アルプスと広葉樹の多い森に囲まれ、清らかで軟らかな伏流水が豊富に存在します。酒造りにおいては、水の質が非常に重要であり、高山の水はその要件を満たすものとされ、美味しい酒の醸造に適しています。

さらに、高山市は寒冷な気候に恵まれています。寒冷な気候は酒造りにとって重要で、特に清酒の醸造には適しています。寒冷な気温が酵母の発酵を適切に制御し、美味しい香りの酒を生み出すのに貢献しています。この地域特有の気候が、高山の酒蔵にとって理想的な条件を提供しています。

 高山の地理的要因が、美味しい酒の醸造に適していることから、多くの酒蔵がこの地に存在するのです。

●高山の酒文化

 高山市には酒蔵が多いだけでなく、酒文化も根付いています。この地域は豊かな自然と歴史的な背景から、酒宴文化が育まれ、地元の人々に愛されています。

 一つの特徴は、高山の冬が非常に寒冷であることです。この寒冷な気候は、酒を楽しむ文化に影響を与えています。高山の冬は非常に寒く、外に出るのも憚られることがあります。そのため、酒宴は地元の人々にとって、最大の社交場となり、夜が更けるまで続くことが多いのです。長い冬の夜に、仲間と楽しむ酒宴は、高山の文化の一部と言えます。

 高山ではお祝いごとや冠婚葬祭、お歳暮、お中元といった節目に、地元の酒を贈る習慣が根付いています。地元の酒を贈ることは、感謝の意やお礼を表す手土産として一般的です。また、お酒は雪かきを手伝ってもらった際のお礼や、お互いに親しい関係にある際の贈り物としても利用されます。地元の酒は、地域社会でのつながりを強化する重要な要素となっています。

 飛騨の人々は地元のお酒が大好きで、その魅力を共有し、楽しむことを大切にしています。また、飛騨地方ではお酒が強い人々も多く、酒にまつわる独自の習慣や文化が残っています。その一つが「返杯」の習慣で、お酒を注がれたら最後まで飲み切り、相手におちょこを渡して注ぎ返すのが礼儀とされています。このような地元ならではの酒文化が高山を特別な場所にしています。

●地元の酒愛好家

 高山市の地酒は大変愛されています。地元の酒蔵から生まれる美味しいお酒は、地域の誇りとなり、多くの愛好家に支持されています。

 高山市内の居酒屋を訪れると、ほとんどの店舗で地元の酒が提供されています。これは地元の酒が地元の人々にとって非常に愛されていることを示しています。高山の酒は、機械による大量生産ではないため、生産量はそれほど多くありません。しかし、地元の人々にとっては、その酒の質と風味が最も重要で、地元の酒しか飲まないという姿勢が根付いています。

 高山には「返杯」という独特の習慣があります。これはお酒を注がれたら最後まで飲み切り、相手におちょこを渡して注ぎ返すという礼儀です。この習慣は高山の酒宴文化と深く結びついており、地元の人々にとっては酒を通じたコミュニケーションの一部となっています。

 また、高山の酒愛好家は、酒を楽しむための独自の文化も持っています。寒冷な気候に合わせて「熱燗」が好まれ、居酒屋で日本酒を注文すると、通常は熱燗が出てきます。特に高山古川では「真宗寺燗」と呼ばれる熱燗が人気で、温度はだいたい55℃から65℃程度です。この熱燗の文化も、高山の地元の酒愛好家に支持されています。

 さらに、高山地方の宴席では「めでた」と呼ばれる祝い唄が歌われます。これは地域ごとに異なる節があり、酒宴の賑やかな雰囲気を盛り上げます。

地元の酒愛好家は、高山の酒文化を大切にし、その伝統を次世代に継承しています。高山市には多くの魅力的な酒蔵があり、その歴史と文化が地元の人々に愛されているのです。

●まとめ

 高山市には多くの酒蔵が存在し、その背後には数々の理由があります。地理的な要因、寒冷な気候、そして豊かな酒文化が高山を酒造りの中心地として位置づけています。地元の銘柄は、地域社会での結びつきや誇りを形成し、地元の人々に愛されています。さらに、高山の酒愛好家たちは、地元の酒文化を大切にし、その独自性を守り続けています。

 高山の酒蔵が多い理由は、美しい自然環境と歴史的な背景に起因しています。この地域で生まれるお酒は、水質、気候、そして地域の文化との調和から、美味しさと品質に優れています。高山の酒文化は地域社会に根付き、地元の人々によって支えられています。

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